「頭がいい人」と言われる文章の書き方 小泉十三と日本語倶楽部 著

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「頭がいい人」と言われる文章の書き方

1ページ目より辛辣なのは、編集者の目線による文章への様々な感情が吐露しているように読めた。小学校より習ってきた国語から、新聞社説、雑誌、明治の文学者から現代の小説家に至るまで、さまざまな文章にはルールがある。それらルールから逸脱してしまった稚拙な文章を、筆者は遠慮なくぶった切る。筆者は読みづらい文章、論理破綻な文章、陳腐、偉そうで不快な印象を与える文章を、怒りをもって指摘し、切り取っては書き直す作業を繰り返す。編集者ならではの手法なのだろうが、職業病というよりは、実は文章への愛情が深いために書き直しているのだから、読んでいて楽しかった。