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サイコパスという名の怖い人々 高橋紳吾著

「悪」というものを書き出したくて、相対的な悪である犯罪者に絞って読み始めた本の中の一冊。

ひとは善悪分別のタガが外れることで、犯罪に及ぶと考えがちだが、サイコパスにはそれがない。犯罪を犯すには、それなりの覚悟が必要だが、それも常人の考え方だ。

だが、サイコパスという存在を知れば、ある程度は事件の当事者になることは防げるはずだ。サイコパスが犯罪を犯す時は、それは衝動的で突発的なものではなく、常人の考える覚悟とは違った思考回路で、彼らはある種犯罪の準備をする。身近にサイコパスと呼ばれる者がいないに越したことはないが、読書中に、恐らくサイコパスであろう、と予想できる者の顔が数人浮かんだ。他人事でないことが恐怖であり、この本の醍醐味であり、そして意味のあることだと知る。